中継ぎ役をわたしの任務として…………
  ――大阪「東部学校文化」との出会い
 
                    全朝教大阪(考える会)事務局長
                             宮木謙吉
 
 畏兄・畏姉に囲まれて、事務局長役を引き受けて時間ばかりがたってしまった。ただただわたしの役割は、「考える会」創設期の畏兄・畏姉たちの実践と運動を、次の世代の畏弟・畏妹たちのそれへと中継ぎすることであると考えている。
 また、個人的なことであるが、この四月、機会を得て生野区の北巽小学校へと転勤することとなった。推進校勤務25年・50才・2000年……、それなりの理由づけをしながらの転勤でもあったが、心底では同和教育実践と民族教育実践をつなぎ、解放教育実践として展開したいという、いわばこれも中継ぎ役として、自分の役割を見いだしたいという意欲にかられてのことであった。
 そして、一学期が経過……。
 この一学期は、わたしにとって“大事件”の連続だった。朝鮮半島情勢の前進はもとより、民族教育ネットの活動発進へと内外ともにマスコミあげて、時代の流れを方向づける出来事が、政治・経済・教育・スポーツ・芸能に至るまでわたしの耳目を刺激してやまない。そして、“東部学校文化”(わたしが勝手に名付けた生野・東成区の教職員集団資質・学校教育文化システムの総称)との出会いもわたしにとっては、“大事件”の一つであった。今日の学校教育の現状と課題が、極めてシンボリックに濃縮された形で表現されているのが東部エリアであると思うが、それだけに学校が果たすべき役割や教職員集団の任務も整理・確立されていかなければならないと痛感させられる毎日である。この意味では、“人権と共生”の21世紀を担う子ども達を育てる先駆的な教育実践は、“東部学校文化”がリードできるという確信も持てるわけで、いろいろな角度からやりがいのある職場づくりとあわせて解放教育実践を追求していきたいと考えている。
 わたし事が長くなってしまったが、お互いの現場や実践が交流できる運営委員会でありたいとも思う。また、この間の大阪の民族教育運動が、在日サイドによって大きく推進されているという状況のなかで、日本人教職員による実践と運動の更なる構築についても改めて追求していきたいと思う。「本名を呼び名のる運動」をベースとした、クリアーで広がりのある運動と実践を、今イメージしながら、全朝教大阪の活動をみなさんと創りだしていきたいと思う。
 頼りない事務局長を、宜しく………。

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