政府が慎重な北朝鮮こそ
市民運動体としての力が問われる

NGOの交流をめぐって


 12月3日、「日韓市民・NGO、21世紀に向けた交流・協力の可能性」をテーマにして、民権協10周年シンポジウムが開かれた。鹿児島の留学生交流運動「コグマ(からいも)交流」をすすめる加藤憲一さん(カラモジア・インターナショナル代表)やピースボートの辻元清美衆議院議員らの話もよかったが、韓国同胞助け合い運動の徐京錫さん、落選運動の車炳直さんら韓国NGOの着実な歩みと視点には衝撃を受けた。世代を越えて受け継がれ、着実に力を増す韓国民衆のエネルギーは、経済的な困難を超えて前進している。国家と周囲のちっぽけな小権力にとかく迎合的なわたしたち日本の風潮では、もうすぐ韓国の人々からも相手にされなくなる。追い越されているのは、徐さんが提案されていたインターネット上の交流に見られるような、インターネットのインフラばかりではない。

 12月3日、「日韓市民・NGO、21世紀に向けた交流・協力の可能性」をテーマにして、民権協10周年シンポジウムが開かれた。鹿児島の留学生交流運動「コグマ(からいも)交流」をすすめる加藤憲一さん(カラモジア・インターナショナル代表)やピースボートの辻元清美衆議院議員らの話もよかったが、韓国同胞助け合い運動の徐京錫さん、落選運動の車炳直さんら韓国NGOの着実な歩みと視点には衝撃を受けた。世代を越えて受け継がれ、着実に力を増す韓国民衆のエネルギーは、経済的な困難を超えて前進している。国家と周囲のちっぽけな小権力にとかく迎合的なわたしたち日本の風潮では、もうすぐ韓国の人々からも相手にされなくなる。追い越されているのは、徐さんが提案されていたインターネット上の交流に見られるような、インターネットのインフラばかりではない。

 民権協ニュース11月号に書評が掲載されているが、「北朝鮮核疑惑」をめぐる米朝外交交渉の担当官、ケネス・キノネスの『北朝鮮 米国務省担当官の交渉秘録』が翻訳出版された(中央公論新社、3200円)。アメリカでの対北朝鮮外交の実態がよくわかるが、それには、アメリカでもこの程度か、という面と、さすがアメリカだすごいという面の両方がある。日本はどうなのか。例えば、若い世代の朝鮮語教育、朝鮮研究、どれ一つとっても、それは日本自身の本当の将来、日本人が最低生き延びるためにも、不可欠のことではないのだろうか。朝鮮人の「民族教育」だけの問題だろうか。また、本当の「ボランティア」とはどんなものか、学校教育がそれに関わるという前に、私たち自身がきちんと考えなければならないだろう。

 今回出版された『韓国NGOデータブック』(民権協編、みずのわ出版、2800円)から、韓国の現状紹介と市民運動・民主化運動の到達点がつぶさに見て取れる。
 キノネスや徐京錫の名が見える日本経済新聞10月19日の記事を掲載する。(K)

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