全朝教運動の現状についての報告 

 神戸大会での実践報告の申し入れについて     2001. 4.13

  

 昨年春以来、全朝教大阪(考える会)運営委員会では、今後の教育運動の進め方についての議論してきましたが、その結果、この五年間の状況を打破し在日朝鮮人教育運動全体の利益をはかるために、行きがかりを超えて新しい行動を起こすことにしました。全国運営委員会への無条件復帰などの従来からの要求や対立はおいて、大阪からの報告発表によって次回兵庫大会を盛り上げるために、全朝教事務局(寺井事務局長)に対して大阪からの二つの報告を申し出ることにしました。ひとつは「大阪市の新しい教育方針策定について」、もうひとつは、「大学(近畿大学等)での在日朝鮮人教育について」です(ともに仮題・予定)。

 私たちが新たにこの申し出をした意図は、つぎのようなものです。

@ 1983年の全朝教発足以来、全朝教はそれぞれの地域の実情を踏まえ、それぞれの地域での教育実践、教育運動のあり方について、相互批判は当然だとしても、互いに否定し合ったり排除し合ったりするのではなく、互いに刺激を与え高め合うことを根本精神にしてきており、1994年の事務局改組もそれをさらに進めようとして行われた。この「開かれた全朝教」を大切にしたい。

A 1994年の天理大学民族差別暴行事件糾弾闘争の終結局面で生じて、1995年の決裂に至った対立については、事実経過と全朝教大阪(考える会)メンバーの意見をできるだけ広くオープンにしてきた。そのことの根本的な総括は、時が来ればなされるだろう。今日、意見や見解の相違、相互の謝罪要求は、多くの人々にとって無意味なものになっている。

B 2000年夏の広島大会の状況を見た時、報告においても討論においても、大阪のメンバーがより積極的に参加することによって、全朝教運動をもう一度活性化するのに役立つことができるかもしれない。日の丸君が代問題、教科書問題、東京都知事の差別発言、等に対応するためにも、広く手を結ぶことが重要だ。

C 全朝教大阪(考える会)自体、さまざまな考え方、さまざまな実践のあり方を模索する日本人教育労働者の集まりであって、どのような意味でも、全朝教大阪としての組織的その他の「利益」を追求することはありえない。今回は棚上げにしている「運営委員会復帰」の要求にしても、今回申し出た「報告」にしても、それが何のためであるかは、自明のことだ。

 その後、2月28日付けで全朝教(全外教)事務局からの返事が届きましたが、それは、全朝教大阪(考える会)からのこの二つの報告の申し出を断り、従前からの「謝罪」要求を続けるというものでした。

 全朝教大阪(考える会)ではその返事の中の大部分については同意し、一部については、そもそもそれを言うと1995年に戻って相互の謝罪要求の繰り返しになるので、反論せず、3月20日付けで全朝教(全外教)事務局と全国運営委員に上記の内容で再検討を要請する文書を送りました。しかし、3月26日付けの会長藤原史朗さんからの返事は、前回を再確認するだけでした。こうして、結局、見解の相違を再確認しただけで終わり、残念なことです。

 私自身は、いつの日か、なぜどのような理由と手続きによって自分が全国運営委員会への案内を停止されるようになったのか、私がそれ以前にそれに相当するような何をなしたのか、オープンにしてほしいものだと思い続けています。私は、何も「会長」からも「運営委員会」からも、何を「謝罪せよ」と言うのか聞いていないので、今でも全国運営委員のつもりでいるのですが……。                                           (印藤)

 

inserted by FC2 system