第23回高校奨学生ウリ文化祭

12月22日(土)新大阪メルパルクホール
 
 久しぶりに(財)朝鮮奨学会の「ウリ文化祭」に出かけました。筆者の勤務する高校では、去年創立以来はじめて奨学生が生まれましたが、今年は誰もおらず、係の先生に聞いたら、奨学生がいないところには案内も来ないとのことでした(あたりまえですね)。中休みもなく、ぶっ通しの4時間、高校生たちの勢いが舞台にも客席にもあふれていました。何年か前までとは違い、客席も出演者席が一応区分けされ、最後のフィナーレで悲鳴と歓声のうちに客席から制服の生徒たちが舞台に引っぱり上げられるまで、メルパルクホールはほぼ一杯の盛況でした。

 大阪の高校では、阿倍野も、住吉も、今宮も、あんなに大勢いて、びっくりしました。住吉高校は出演しただけで20数名、3年生も入れると30名近くになるそうです。花園、柴島もさすがです。松原、布施高、摂津の生徒が、独唱や司会で活躍しましたが、他の生徒たちも混じった関西奨学生有志のマダン劇も手作りの良さがありました。反面、以前は常連だった西成、阪南や市立西が出ていなかったのは少しさびしかったです。私立では、園田学園中・高校が長年一貫して出演していて、感心しました。

 各地遠方から来た生徒たちの中では、今回は関東が、人数は少ないものの「アリラン」のバイオリンのメローディーを軸に在日の歴史を振り返るもので大変よかったし、福岡と広島は人数も多く、原則的に指導され磨きのかかったすばらしい演技でした。福岡などは、県下北九州、筑豊、博多の三地区に別れて練習してきたものを、県の交流会や合宿研修会でまとめあげ、直前の12月20日に県の発表会を開いて、それから大阪へとやって来ているのです。上手なはずですね。また、それを支える人々のことを考えると頭が下がります。

 大阪の生徒たちは、どちらかというと、ちょっとした「スタンツ」というようなノリで、軽く見える印象ですが、こうして各地の生徒がお互いに交流する教育効果は計り知れないものがあります。悲鳴を上げ後ろから冷やかされて、それでも喜びつつ(多分)舞台に向かい、フィナーレの出演者全員によるプンムルに参加する生徒たちの後ろ姿を見ながら、こうした文化祭が、元来当然、すべての朝鮮人高校生が参加して行われてしかるべきものなのだが……ということを、思っていました。(K)



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