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   在日ブラジル人の子どもの教育と
放送大学問題
 
 2000年度に放映された放送大学テレビ授業番組に対して、川崎市のチョ・チェヨン(゙在龍)さんらが提起された問題点に、江渕一公教授が回答し、2001年度には番組内容に改訂がなされました。群馬県大泉市の在日ブラジル人社会について行政の姿勢などを余りにも理想化した扱い方や、反面在日外国人の増加をすぐ犯罪の増加と結びつけてしまうコメント、東京都新大久保周辺で街頭に立つ外国人女性たちの映像を入れてそれで問題を象徴的に示すやりかたなどに怒りは向けられ、その部分は削除されました。これに対してアンジェロ・イシ、李孝徳、゙在龍さんの三氏が2002年1月17日付で放送大学に「見解と要望」を出されています。その文書要点は次の通りです。

 <見解>

@削除改善についての説明がない。
A在日ブラジル人の実際の姿、「様々な抑圧を受け、差別に苦しむ在日外国人」の姿が見えない。
Bコミュニティー形成によって日本人社会とのコミュニケーションが減少したという指摘は、逆ではないか。
C在日ブラジル人児童・生徒の不登校問題の原因をブラジル人側にあるとする指摘は問題。Dブラジル人自体への理解が根本にない。

 <要望?>

@もとの(2000年度)放送に対する謝罪、後始末。
A在日ブラジル人社会との連携。

 事務局でもこの番組の録画ビデオを検討し、放送の内容と上記文書の中身について学習を深めています。一昨年来の提起によって、番組改訂という大きな成果が生まれましたが、今年度の放送内容についても会員のみなさんの注意を呼びかけます。

 また、2001年度放送分では、ブラジル人の母語であるポルトガル語を(または、で)教える教室設置の重要性が指摘されました。掲載した新聞記事の中でも、「公立学校での母国語教育」が提案されています。真実に基づいて真剣に考えれば、必然的に誰もが解決策として到達するところ、それが「民族学級」なのではないでしょうか。(印藤)
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