全外教「大阪大会」開催についての

見解と呼びかけ

             2002.10.10

全朝教大阪(考える会)

代表 印藤和寛

 

 現在、2003年夏の全朝教(全外教)大会を大阪で開こうとする準備が進められています。このことについて、私たちの見解を明らかにし、関係者のみなさんに呼びかけます。



 1979年からの大阪での全国研究集会開催を引き継ぎ、1983年に大阪で発足した全朝教は、今年2002年8月、三重県津市で第23回全国研究集会を開きました。

 この間、1991年の大阪での全国研究集会以来、大阪では全国研究集会が開けないままでした。それは、1995年以降、私たち全朝教大阪(考える会)が事務局・運営委員会に参画することができなくされていたからです。そうした状況の下でも、私たちは毎年の全国研究集会に参加を続け、2001年春には、神戸大会で実践報告(稲富進報告と大阪市教組の仲間による報告)をしたいと申し入れましたが、それを断るという連絡を受けて不当な思いをしました。

 その上に、昨2001年末よりは、2003年夏の全朝教(全外教)大阪大会に向けた体制作りが進められていると聞き、このままでは大阪や全国の在日朝鮮人教育運動に無用の分裂と混乱をもちこむのではないかと危惧してきました。

 現在、全朝教大阪(考える会)へはもちろん、大阪府教職員組合、大阪府外教、大阪市外教などにも組織としての実行委員会への参加要請はありません。また、民族諸団体について言えば、今回の三重大会で在日本大韓民国民団の後援がなくなり、民族教育促進協議会については、全朝(外)教の側から、長年続いた後援依頼を打ち切りました。

 こうした中で進められているという大阪大会に向けた準備が、どのような大阪大会を意図してなされているのか、疑問を持たざるをえません。


 

 思うに、大阪大会を開催して成功に導くためには、大阪の運動と実践の歴史や現状をふまえ、関係組織を網羅して現地実行委員会を組織することは、最低限の条件ではないでしょうか。私たちの共通の課題は、多民族・多文化共生の学校と社会をめざして、地域や子どもの実態に即した教育運動と実践をすすめることであるはずです。それゆえ、運動論や実践の手法が多様なのも当然のことであり、それらを尊重することこそが豊かな実践につながります。そのような取り組み総体が、私たちの財産であり、その財産を分かち合うためにこそ、全国実践交流会は開催されるべきでしょう。それは在日朝鮮人教育の、というよりも、教育研究活動そのものの大原則にほかなりません。

 従って、私たちは、大阪大会を開くのならば、すべての民族団体、関係教育諸団体がこぞって応援できるような組織体制を確立しなければならないと考えます。とりわけ、全朝教運動が日本教職員組合との連帯の中で各地で定着発展を見てきたことからして、大阪においてもその仲間たちが総力を挙げて結集できるような実行委員会をつくる必要があります。そうすれば、今日の大阪の在日朝鮮人教育の到達点を全国に向けて発信し、相互批判、交流できるような大会を実現することができるでしょう。



 しかし、そのような呼びかけがおこなわれないまま、大阪府教育委員会に対しては、本年12月の私学会館でのセミナーや来年8月の和泉市人権文化センターでの大会への後援依頼がおこなわれました。また一方で、今年の全朝教(全外教)三重大会最後の全体会(8月25日)では、例年おこなわれてきた次期開催地の紹介はなく、複数の候補地が挙がっているとの報告がなされました。このような状況のまま大阪大会が強行されれば、大阪の在日朝鮮人教育運動と実践に大きな混乱をもたらすばかりか、日本教職員組合を中心とする全国の仲間の連帯と信頼を損なうことになりかねません。



 もし、2003年度全朝(外)教大会を大阪で開催しようとするのならば、上記のような前提抜きで大会が強行されることのないよう、心ある教育関係者に呼びかけるものです。
 

(注)全朝教(全外教)は、10月1日より全外教と名称を変えたということですが、この中ではもとの名称で書いています。

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