4.24阪神教育闘争55周年記念事業 関西発! 多民族・多文化共生教育と民族教育権を考える 〜「在日」と「新渡日」の協働をめざして〜
1.開催趣旨 1948年民族学校の強制閉鎖に抗して闘った、在日韓国・朝鮮人(旧植民地出身者/「在日」)にとって「民族教育の原点」ともいえる4.24阪神教育闘争から、今年55周年を迎えます。日本社会の根強い文化的同化・構造的排外のなかで、「在日」の子どもたちの民族教育権保障を求める取り組みは、やがて民族学校の再建や民族学級の開設に結実し、その後も今日まで営々と受け継がれてきました。 とくに、大阪では朝鮮学校、白頭学院建国学校、金剛学園の民族学校と公立学校に設置されている180校に及ぶ民族学級(クラブ)などを通じて、少なくない「在日」の子どもたちに、民族的アイデンティティと自尊感情を豊かに育む場を保障する努力がなされてきました。もちろん、各種学校に位置づけられる朝鮮学校等の法制度的差別、民族学級の取り組みの地域間・学校間格差、日本籍コリアンの子どもへの対応の遅れなど、さまざまな課題が、いまなお残されていることは言うまでもありません。 しかし、こうした教育実践は、「在日」の子どもたちの利益に限らず、すべての民族的マイノリティの子どもたちが不利益を被らないための日本の教育環境を改革するうえでも、普遍的で先駆的な意味を内包しているのではないでしょうか。 民族や文化などの多様性がますます広がる21世紀の日本社会にあって、多民族・多文化共生社会の実現は、緊要かつ最も重要な課題の一つとなっています。1990年の改正「出入国管理及び難民認定法」の施行もあって、ブラジル、ペルー、中国などの「新渡日」(ニューカマー)の人々が急増し、定住化と集住化の傾向を強めています。それにともない、「新渡日」の子どもたちの教育を受ける権利が侵害され、不就学、アイデンティティの「揺らぎ」、学力・進路保障などの深刻な教育課題が、浮き彫りになりつつあります。 こうしたなか、「在日」と「新渡日」の子どもたちの歴史的経緯や現状の、それぞれの共通点や差異点を踏まえた上で、日本における多民族・多文化共生教育の実現をめざして民族的マイノリティとしての共通の立場から連携・協力していく視点が、より不可欠となっています。そして何より、民族的マイノリティの当事者の「声」と「現場」のなかにこそ、多民族・多文化共生教育を実現していく上での豊かなヒントがあるのではないでしょうか。 4.24阪神教育闘争55周年を迎える今年は、大阪における、これまで民族学校や民族学級などの長年にわたる在日朝鮮人教育の豊かな教育実践の蓄積を土台にしながら、「在日」と「新渡日」の子どもたちを包括的に視野に入れた多民族・多文化共生教育の必要性と可能性について、論議をしたいと思います。
2.開催概要
(1)テーマ:関西発! 多民族・多文化共生教育と民族教育権を考える (2)日 時:2003年4月27日(日) 午後1時〜6時 (3)会 場:大阪市立御幸森小学校 (4)主 催 民族教育ネットワーク (5)資料代:1,000円
3.開催内容 (1)開会あいさつ …(午後1時〜1時15分) (2)【T部】 座談会&文化発表 …(午後1時15分〜2時15分) ■座談会:「日本社会に暮らす『在日』と『新渡日』の思い」 ・李京愛さん(元同胞保護者連絡会(大阪)会長) ・豊住マルシアさん(「モニカの仲間」代表・神奈川) ・葉映蘭さん(東大阪市立盾津中学校 中国人講師) コーディネーター:榎井縁さん((財)とよなか国際交流協会事業課長) ■文化発表・アピール(2時15分〜2時35分) ・東大阪朝鮮中級学校 (3)オリエンテーション&移動 …(午後2時35分〜2時45分) (4)【第U部】分科会 …(午後2時45分〜5時15分) 【第1分科会】 多民族・多文化共生教育における「在日」と「新渡日」の協働をめざして 〔内容〕大阪では、全国的に見ても貴重な教育実践として、在日韓国・朝鮮人の子どもたちを対象 【報告】 @姜孝裕さん(大阪府民族講師会共同代表) 【コメンテーター】中島智子さん(プール学院大学教員) 【司会】 李月順さん(関西大学講師)
【第2分科会】 外国人学校における「在日」と「新渡日」の協働をめざして 〔内容〕新しい時代状況の変化のなかで、「在日」と「新渡日」の外国人学校の現状と課題を整理す 【報告】 @在日本朝鮮人教職員同盟大阪府委員会から Aリリアン・テルミ・ハタノさん(甲南女子大学教員) B野入直美さん(琉球大学教員) *アメラジアンスクールに関して 【コメンテーター】高賛侑さん(ノンフィクション作家) 【司会】 太田利信さん(全朝教大阪(考える会))
【第3分科会】 地域社会で多民族・多文化共生教育は、どのように取り組まれているか 〔内容〕子どもたちの豊かな学びと成長にとって、今後地域社会の教育力との連携・協働は不可欠 【報告】 @金幸子さん(名古屋・日本の学校の通う子をもつアボジ・オモニの会代表) Aオン・ファン・ティ・ミンツさん(民族クラブ指導員) B山本直子さん(外国人労働者奈良保証人バンク事務局長) 【コメンテーター】榎井縁さん((財)とよなか国際交流協会事業課長) 【司会】 金光敏さん(民族教育促進協議会事務局長代行)
【第4分科会】 総合学習で多民族・多文化共生教育は、どのように取り組まれているか 〔内容〕02年度から新学習指導要領にともなう「総合学習」が小中学校で実施されている。「総合 【報告】 @大阪市立巽中学校から A堺市立日置荘小学校から B郭辰雄さん(在日韓国民主人権協議会事務局長) 【コメンテーター】安野勝美さん(大阪府在日外国人教育研究協議会事務局次長) 【司会】 宮木謙吉さん(全朝教大阪(考える会))
【第5分科会】 日本籍マイノリティのアイデンティティは、どのように育まれるのか 〔内容〕日本社会は、多民族・多文化化が急速に進んでいる。「在日」、「新渡日」、アイヌの人々な
ど、歴史的経緯や現状が異なる日本籍マイノリティが急増している。こうした日本籍マイ 【報告】 @朴実さん(音楽家/東九条マダン実行委員長) A檜山ロイラさん(関西フィリピンコミュニティ連絡会) B秋辺得平さん((社)北海道ウタリ協会副理事長) 【コメンテーター】宋英子さん(大阪市教育センター研究官) 【司会】 宋悟さん(在日韓国民主人権協議会共同代表)
〜休憩・移動〜 (午後5時15分〜5時30分)
(5)分科会報告 …(午後5時30分〜5時55分) (6)閉会あいさつ …(午後5時55分〜6時)
4.オプションプログラム ■生野区コリアタウンフィールドワーク&アイヌ文化ワークショップ 希望者を対象に、生野区コリアタウンフィールドワークとアイヌ文化に関するワークショップを開催します。詳細は以下の通りです。 【日時】2003年4月26日(土) 午後2時集合(時間厳守) 【集合】JR環状線鶴橋駅中央改札口前 【内容】在日コリアンのコーディネーターが、在日コリアンの多住地域である生野区コリアタウン、周辺
5.参加申込みなどについて (1)4.24記念行事およびオプションプログラムの参加については、原則的に事前申込みが必要です。 (2)各分科会は定員が50名です。かりに人数が多い場合は、主催者側で調整いたします。あらかじめ、 (3)4.24記念行事終了後には、交流会を予定しています。ふるって、ご参加ください。 (4)宿泊を希望される方には、会場近くのホテルを主催者側で予約をします。その場合は、4月14日(月) 【参加申込み事項】 @お名前 A参加希望日程 4月26日のみ/4月27日のみ/両日 B希望分科会 第1分希望: 第2希望: C交流会 参加/不参加 D宿泊(希望者のみ) 日程
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