シンポジウム報告 2003年3月6日(木)大阪市立中央青年センター

中国からの子どもの
 
退去強制問題と学校現場の課題

 「収容ストップ、難民ウエルカム、
友だち返せ、日本を変えよう!」

 

コーディネーター 

合田 悟(源氏ヶ丘教会牧師・周くんを支える会代表)

パネラー 

葉映蘭 (イエ・エイラン。盾津中学校中国人講師)

       「日本の学校での教育実践と子どもの在留資格問題」

林二郎 (東大阪市教組委員長)

       「学校から消えた子どもと教職員組合の課題」

草加道常(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク、RINK)

       「子どもの権利ネットワークと国連子どもの権利委員会」

空野佳弘(弁護士。李悠紀、石麗麗、周鵬宇さんの退去強制問題を担当)

       「子どもの退去強制裁判闘争で何が争われているのか」

 コーディネイターの合田悟さんが、教会での仕事で遅れて参加されることになったため、林二郎さんが司会を兼ねて発言が進められた。民族学校の大学受験資格問題をめぐる2月28日の集会でも議論されたように、「子どもにとっての最善」「子どもにとっての当然の権利」「子どもの教育権」「日本語だけではない、民族教育権」というものが、日本の政治や法制度、裁判の中で、いかにないがしろにされているかが浮かび上がる。また、それがいかに日本社会の公共の利益を損なっているかも明らかになってきた。

 その壁を克服しょうとする人々のつながりは広がりつつあるが、大きな困難にも直面している。国際的な「子どもの人権」の流れを、それとどう結びつけるかが、私たちの課題となっている。

 現在のような「戦争」の時代、「有時」を自ら招き寄せようという声の強まる日本で、かつての300万人戦没者の戦争と100万人強制連行の植民地支配の最終決算をかけて、「教え子を再び戦場に送らない」ために、「敵」にも「味方」にもしないために、「子どもの教育権、民族教育権」にこだわって教育実践と教育運動を推し進めよう。どのような時代にあっても、世の中の雰囲気に流されることのない私たち教職員の当然の仕事、最低限の仕事が何なのかを確認しよう。そうした私たちの意思が試されている。

 この夜の超満員の会場は、熱気であふれていた。(以下文責は編集委員会。イエさんの名前のふり仮名は、本人のご意向により「エイラン」としています。)

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