兵庫に初の民族学級誕生   神戸市立蓮池小(04.5.19) 2004-05-19

長田区の蓮池小で開講した「オリニソダン」
実践10年通じて実現……「保護者の会」の要望実る


 【兵庫】在日同胞子弟の民族的アイデンティティーを育もうと、兵庫県下で初めての民族学級「蓮池オリニソダン(書堂=寺子屋)」が15日、神戸市立蓮池小学校に設立された。同「ソダン」は月に1度のペースで開講する。

 「蓮池オリニソダン」は、同校に通う在日同胞子弟たちが、ハングルやチャング、民俗遊びなどを学びながら民族的アイデンティティーを育む場が必要であると蓮池小学校が設置したもの。在日外国人児童教育の充実・発展に、小学校自らが開催することは神戸市内の学校では初の取り組み。

 神戸在日韓国・朝鮮人児童生徒保護者の会(金信繿纒\)の要望が実った形だ。保護者の会は、公立学校に通う在日同胞の子どもたちが民族素養を学べる場所が必要であると、10年前から市教委や各学校などと交渉を続けてきた。蓮池小でも教師らとの話し合いを通じてこの間、各学年に応じた教育実践に取り組んできた。
 教育現場への働きかけと同時に保護者の会独自で「オリニソダン」を開設し、同胞子弟への民族教育を展開してきた。
 金代表は「蓮池の開講は画期的なこと。まだまだ課題は多いが、他の学校にも開講できることを願っている」と声を弾ませた。
 蓮池小の教室が開設されたことにともなって、保護者の会が開催する第1土曜(神戸市立長田南小学校=場所提供)と第2・4土曜(シューズプラザ4階)の「オリニソダン」と第3土曜の蓮池オリニソダンが活動することになる。

 15日の開講式には、蓮池小学校の在日同胞オリニたち25人と「保護者の会」会員、神戸市教育委員会関係者ら合わせて60人が参加して開かれた。
 オリニを代表して李帆那さん(蓮池小6年)が今まで参加してきたソダンの思い出を話し「これからも一緒に、楽しく学んでいきましょう」とあいさつ。オリニたちは「アンニョンハセヨ」「イェッ」と元気よく答え、韓国の歌や手遊びなどに夢中になっていた。
 同ソダンの参加対象は在日同胞小学生で、費用は1カ月1000円(ただし、第1、第3土曜のみの参加は無料)。申し込み・問い合わせは同保護者の会(電話078・577・9758兼FAX)まで。

(2004.5.19 民団新聞)

     
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