2006125

大阪市立大学学長 金児曉嗣様

大阪市立大学医学部長 福島昭治様

大阪市立大学医学部看護学科長 長山正義様

全朝教大阪(考える会)

代表 印藤和寛

抗議とお願い

 前期入試をひかえお忙しいことを十分存じ上げながら、失礼いたします。

 昨年11月13日の新聞に報道された「朝鮮学校生の願書を不受理 大阪市大推薦入試」の記事を見、その後11月17日に出された「医学部看護学科推薦入試についての学長見解」、さらに募集要項を精読して、貴大学の主張にはどうしても「内輪の論理」としかみえぬ点があり、上記決定に抗議すると共に、以下の諸点について一般入試終了前に公表していただけますよう、お願いを申し上げる次第です。

 今回問題になった募集要項が、たまたま「学校教育法にいう高等学校」(一条校)を意図して作成されてしまっていたとしても、朝鮮高級学校からの推薦入試出願に際して、従来の大阪市立大学の方針にのっとって、朝鮮高級学校を一条校に準ずるものとして出願を認めるか、また、たとえすぐにはそうならなくても、国の基準にのっとって、出願者を個別に審査して、出願を認めるか、どちらかになるのが当然だと思っていましたが、その期待が裏切られるような判断がどうしておこなわれたのでしょうか。

 貴大学の実績を信頼し、かつ、一昨年からの国の施策変更にも勇気づけられて、朝鮮高級学校生徒が推薦入試出願を希望したこと、同校がこれを推薦したこと自体に瑕疵がないとすれば、大阪市立大学は、出願して受理されなかった志願生徒に対して、また、推薦の資格がないとしてその名誉をおとしめた朝鮮高級学校に対して、謝罪すべきではないでしょうか。

 貴大学の「学長見解」を読むかぎり、募集要項の「高等学校」にこめられた大学当局の意図が絶対であり、それを忖度せよ、それができぬ者が悪い、と言われているように見えます。

  私たちは1971年創設以来、日本の学校に在籍する朝鮮人児童生徒の教育を改善すべく努力してきました。当然のことですが、日本の学校に在籍する朝鮮籍、韓国籍、日本籍の、朝鮮・韓国にルーツをもつ子どもたちにとって、「高等学校」とは「一条校」に限られるはずがありません。大阪市教育委員会も「大阪市在日外国人教育方針」を策定し、日本社会における「多民族・多文化共生」の声に応えようとしている今日、「高等学校」ということばを盾にしてことさら朝鮮高級学校を排除するという結果になったことを、全くの常識に反することとして唖然とせざるを得ません。

 来年度に向けての検討がなされていると聞きますが、「推薦入試の条件は大学が勝手に決めることなのだから、ほかから文句を言うな、差別するのもしないのも強者の自由」というものではないのかどうか、このまま推移して問題が後に尾を引くことを恐れます。

 大阪市民の大学の先生方に対する敬意を込めて、以上よろしくお願い申し上げます。

       全朝教大阪(考える会)

       <正式名称> 全国在日朝鮮人教育研究協議会大阪

       (日本の学校に在籍する朝鮮人児童生徒の教育を考える会)

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