文部科学省の差別を許さない!

民族学校卒業生の大学受験資格を求める緊急行動

 

<開催趣旨>

 文部科学省は3月6日、来年度から外国人学校のうちインターナショナルスクール16校の卒業生に限って国立大学受験資格を与えると発表しました。これにより、朝鮮学校や韓国学校、中華学校など民族学校の卒業生は、これまで通り、大学入学資格検定(大検)に合格しないと国立大学受験資格が得られません。 

 こうした文部科学省の決定には、なんら合理的理由がないばかりか、露骨な民族差別に基づくものに他なりません。私たちは、文部科学省の今回の決定に強く抗議し、すべての外国人学校に平等に大学受験資格を認めることを求める緊急行動を行います。

 すでに公立の59%と私立の58%の大学では、民族学校卒業生を「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」として、各大学の独自判断で受験資格を認めています。こうしたなか、国立大学が例外なく受験資格を認めていないこと自体が、「異常なこと」と言わざるをえません。この問題をめぐっては、1998年2月に日本弁護士連合会(日弁連)が、日本政府に対して「重大な人権侵害であり、かかる事態を速やかに解消させるべきである」との勧告書を提出しています。また、国際人権諸条約に基づく、国連の各委員会の最終所見においても、朝鮮学校に大学受験資格を認めないことは、民族差別であると再三指摘し、その是正を勧告しています。

 今回の決定の背景には、拉致事件など北朝鮮をめぐる日本の国内世論の動向が大きく影響しているとも報道されています。しかし北朝鮮をめぐる政治的な情勢によって、朝鮮学校など民族学校に通う子どもたちの教育を受ける正当な権利が侵害されることは決して許されることではありません。能力に応じて、すべての人に高等教育を利用する機会が与えられることは、基本的人権の一つであり、その正当性は普遍的です。多民族・多文化共生社会の実現が不可避な課題となっている21世紀の日本社会にあって、いま日本社会の民主主義と人権意識のレベルが厳しく問われています。

 私たちは、こうした文部科学省による民族差別的決定を許さず、すべての民族学校卒業生に対する大学受験資格の認定を求める集会、街頭情宣活動など緊急行動を行います。多くの方々の参加・協力と賛同をお願い致します。

 

              【緊急行動呼びかけ団体】

                 ●在日韓国民主人権協議会(民権協)

                 ●民族教育促進協議会(民促協)

                 ●聖公会生野センター

                 ●ワンコリアフェスティバル実行委員会

          ●在日韓国青年連合(韓青連)

         ●在日韓国人問題研究所(RAIK)

 

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