池田市最初の民族学級が開講

 
 6月26日(水)、池田市呉服(くれは)小学校で、「国際理解教室(母国語教室)」が開設され、8人の児童が参加して開講式が行われました。この地域で一小学校に「韓国・朝鮮にルーツをもつ」児童が「8人も」集まったのは画期的なことです。

 池田では、本名を名のる児童を教員が日本名で呼ぶという事件をきっかけに、昨年来、保護者会と教育委員会との交渉が続けられていました。池田市教組や市外教の仲間もこれと連帯して、ついに教室が設置されることになったものです。保護者の安心と喜びはどれほどでしょうか。

 まだ現在の所は学校独自の事業という性格が強く、これが池田市内全体にどのように定着するかは今後にかかっています。しかし、1989年に実施されたはじめての「集い」(池田市教組主催「在日韓国・朝鮮人親子と教職員の集い」)以来の池田市での教職員の実践が、年に一度の「集い」から、月に一度の「教室」へ、また「ケグリの会」などを通じて地域との関わりを広げ、保護者との連帯を深め、それが今回ついに常設の「民族学級」に結実したのです。少数在籍地域での関係者のみなさんの不撓不屈の努力が、今日の政治・経済的状況下でもこのように貫かれたことに、感動を覚えずにはいられません。

 「在日朝鮮人だけの民族学級の役割は終わった」「在日朝鮮人の民族教育は日本人には無理だ」「講師の保障もできないのに開設すべきではない」など30年来耳にする声は、今も繰り返されています。行政との関係は「国際理解教室(母国語教室)」という名称に凝結しています。私たちは、「国際理解」のためにこそ、その前提として「民族学級(母国語学級)」を必ず確立しなければならないのではないでしょうか。(印藤)

 

  (リンク)民団新聞 2002.11.6 「豊能に初の民族学級」
  
川口祥子 「私と在日朝鮮人教育」(2002年9月)
皇甫康子 「少数地域での民族学級、民族教育とは」(2001年6月)」

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