日本語学級・日本語教室
外国から日本へ来た子どもたちが日本で学校生活を送るにあたって、何が必要なのでしょうか。日本語教育にたずさわる教職員は、次のような経験をします。
「日本語学級に来て話している時に母国の事が話題になると目を輝かせながら、食べ物や料理の話、自分の住んでいた所や国でやっていた事、国の友達の話などを大声で話している。そういう時、日本語を教えてやる事こそが最善の事だと思っていたが、そういう事ではなくて、彼等のペル−人、ブラジル人としての存在を認め、尊重し、受け止める事こそが一番大切な事であったのだという事が、今になって痛感させられる。」
川村秀尚「公立小学校における外国人児童に関する考察 外国人児童の抱える問題とその解決に向けて」1994年より……東京都福生市立福生第一小学校日本語学級(多摩地区最初の日本語学級として1993年4月開設)の経験から
日本語指導や日本社会への適応教育を目的とする日本語学級も、その真実の教育課題に直面したとき、いやおうなく教育の根本前提に目を向けることになるのでしょう。それは「民族学級・母国語学級」とも共通のものにほかなりません。
また、これは、長年日本の部落差別をなくすための闘いの中で推進されてきた「識字学級」の人権教育の視点とも相通じるものです。
今日の国際社会は、民族的アイデンティティをはじめ母文化・母語など、子どもが受け継いでいるアイデンティティーを保持伸展させるための教育を、子どもの当然の権利だとみなしているのです。子どもの権利条約( Unicef ユニセフ)を見てもそのことは明白です。
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